怪しい羽毛リフォームに注意

昔から、羽毛ふとんが関わる怪しい事件は沢山有ります。
昨年は、マルチ商法が問題となったジャパンライフも40年以上前は大量に羽毛ふとんを全国に販売していました。
2016年には、全国的に報道された「羽毛ふとん産地偽装問題」があります。
この時は私自身が「ミヤネ屋」で業界の専門家としてコメントをさせていただきました。



「産地偽装問題」については以前にもブログに掲載させていただいたので、そちらもご一読いただければ幸いです。

繰り返される産地偽装問題

本当に、数えきれないぐらいの怪しい事が有ります。

そして、先日は近畿圏内で起きた羽毛ふとんリフォームの詐欺事件の捜査協力の為に警察に行ってきました。
この事件の内容を簡単に説明すると、羽毛ふとんの販売業者が高齢者のお宅に電話を掛けて

販売業者 「○○○様のお宅ですか、以前は羽毛ふとんをご購入していただきありがとうございます。
そろそろ、羽毛ふとんのリフォームの時期ですので、訪問して点検をさせていただきます。」


こんな風に電話をしてから訪問をします。
そして、玄関先でふとんを点検する振りをしてふとんを広げた時に、手に仕込んでいる羽毛をふとんの上に撒きます。

販売業者 「ふとんが破れていて中から羽毛が出ています。これは直ぐにリフォームをする必要がありますね。」

と言い、販売契約書を書いて契約をさせるという事件です。


この販売業者の特徴
1.販売業者はアポ電話をする際に訪問先の名前をフルネームで言うとの事。フルネームで言われると、
 「私はここで買ったんだな。」と思ってしまう。

2.販売業者がやってきて、玄関先でふとんを確認する振りをしながら、ふとんを広げた時に、手などに仕込んでいる羽毛を
   ふとんの上にばら撒き、羽毛がふとんの中から出てきたかのように見せかけます。

3.そして、その場で契約をして、被害者のふとんを持ち帰ります。

非常に単純な手口ですが、多くの方が被害にあっています。
今回、私が協力させていただいた方は、たまたまご家族の方が居られふとんの販売業者を追い返されたので被害にはあっておりません。


警察の方から依頼された内容
1.羽毛が出ているといわれたふとんが実際に破れているのか?

2.販売業者がふとんの上にばら撒いた羽毛が残っていたので、ばら撒いた羽毛とふとんの中の羽毛が同一品なのか?

3.販売契約書を見て、羽毛リフォームを契約する記載内容として問題はないのか?


確認した結果
1.ふとんは破れていなかった。

2.視覚判断では羽毛は違うと思われるが、科学的検査を行い判断をすることになった。

3.契約書には羽毛ふとんリフォームの記載と品番・サイズ・色・充填量・金額のみで、どのようなリフォームをするか
   などの 具体的なものが記載されていない。


この様な業者の対応策
1.点検目的のアポ電話等は、必ず注意してください。電話があれば「(点検が)必要な時には、こちらから連絡しますので
   連絡先を教えてください。」と言うなど、訪問を断る。


2.訪問してきた場合は、アポ電話で有名なふとんメーカーを名乗る場合が多いようなので、社員証または名刺なので必ず
   確認をする。


3.電話をかけてきた元となる資料を見たいと要求する。(購入時の伝票・顧客リストなど)


他にもありますが、まず 知らない会社(店)からの○○を点検に伺いますは、怪しいと思って対応をしてください。


この詐欺事件とは別ですが、最近羽毛リフォームの問い合わせがよくあります。
特に、羽毛リフォームの方法と値段の違いについてです。

羽毛リフォームの目的は、中の羽毛を綺麗にすることです。
特に品質の高い羽毛が使用されているふとんのリフォームをご検討されている方は、まず業者の方にお使いのふとんの中の羽毛の状態を確認してもらってください。
その上でリフォームの方法等の説明を聞くことが大切です。

また、ふとんの中の羽毛を見ずに説明をする業者にも注意が必要です。

羽毛は
①羽毛の品質、②使用年数、③日頃のお手入れ等によって傷み具合は違います。
それによって、リフォームの方法も変わります。